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2011年8月 9日 (火)

「たばこ(煙草)の話 ①」 Dr.Mineの健康法話 

たばこ(煙草)の話

 煙草を吸っていて、肺癌が心配だから診てくれ、という患者さんがいます。こういう場合、私はいつもこう申し上げてきました。

「肺癌が心配で、青い顔をして病院を受診するぐらいなら、煙草をやめなさい、もしやめられないならば、煙草と心中するつもりで、心配することをやめなさい。そうじゃないと、最も大切な心が病んでしまいますから。」

 私が医者になりたての、昭和57年の頃の話です。当時の私は、煙草は絶対悪だと思っていましたので、強い口調で、しかも少々脅かすようにして、患者さんに禁煙を指導していました。ある時のことです。当時60歳ぐらいの肺癌患者さんが、こうおっしゃいました。

「先生。俺の家は貧しかったから、白いご飯すら、まともに食べられなかった。もちろん煙草など口にした事がなかった。軍隊に引っぱられて、恩賜の煙草をいただいてから、煙草の味を覚えた。」

この話を聞いた時はショックを受けました。天皇陛下より賜った、恩賜の煙草で喫煙の習慣ができた方々に対して、煙草を否定することは、その方々の大切な人生まで否定することになりはしないかと悩みました。あれから25年以上経過した今は、恩賜の煙草とは無関係な世代の方ばかりですので、禁煙指導もずいぶん気が楽になりました。

 煙草が社会問題となっているのは、喫煙者本人の主流煙による健康被害はもちろんですが、煙草を吸う意志のない非喫煙者が、喫煙者の煙草から出る副流煙によって健康を害するということです。極端なことをいえば、喫煙者が喫煙による病気で死ぬのは自業自得ですが、非喫煙者にまで煙草による健康被害が及ぶのが問題なのです。

特に子供は、周囲の大人の喫煙の影響をもろに受けてしまいます。だから世界中で、嫌煙権は認められても喫煙権は認められないのです。

 日本における死因の第一位は、悪性腫瘍(癌もこの中にはいります)です。そして癌死の原因の一位が肺癌です。毎年、5万人以上の人が肺癌で死亡しています。米国癌学会は、男性肺癌の90%、女性肺癌の79%は煙草が原因と報告しています。なぜこれ程、癌をおこしやすいのかといえば、煙草の煙には約50種類の発癌物質が含まれているからです。ニコチンとタールだけが悪者であるという認識は誤っています。

煙草を販売しているJTも、ニコチンとタールが少なければ安全といわんばかりに、低ニコチン、タールの煙草を宣伝しますが、だまされてはいけません。ニコチンは煙草の習慣性の原因にはなりますが、危険な発癌物質は、ニコチンやタールだけではありません。皆さんの知っている物質を上げれば、シアン化合物(青酸カリの親戚)は一本中に200マイクログラム、和歌山カレー事件で話題になったヒ素は一本中に25マイクログラム含まれています。

軽い煙草でも、きつい煙草でも、発癌性に関しては変わりありません。そして煙草の煙は喫煙者のみならず、非喫煙者も副流煙として吸い込むことになりますので、常時喫煙者と行動を共にしていれば、非喫煙者にも癌が発生します。煙草の発癌物質は肺のみならず、唾液とともに飲み込まれ、消化管で吸収され、血中に入ります。よって肺癌のみならず、全身の癌に関連します。

わかっているだけでも、喉頭癌で83%、咽頭癌で65%、口腔癌で58%、食道癌で47%が煙草に関連しています。他に胃癌、膵臓癌、子宮癌も煙草の関与が知られています。これらの癌は、紙巻き煙草だけの問題ではなく、当然ですが、パイプや葉巻でも同様です。 ~続く

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