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2012年1月15日 (日)

「インフルエンザの話」③ ドクター ミネの健康法話 

(3)なぜインフルエンザは怖いのか

 人類の有史以来、実に多くの人々がインフルエンザで命を落としました。大正以降ですら、「スペイン風」と呼ばれる大流行で、日本ではわずか4ヶ月で26万人、世界では2300万人もの死者をだしています。

しかし現在では、インフルエンザで死亡する人はそれほど多くはありません。それは何故でしょうか。実は、インフルエンザに関連した合併症の死亡原因で最も多いのは肺炎です。平安時代の流行では、が発生して、死亡者を多数出したとあるし、増鏡には「しはぶき(咳)やみはやりて人多く失せたまふ」とあります。

インフルエンザに合併する急性気管支炎は普遍的で、その50%に細菌感染を合併します。その原因菌は、インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは別物)、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などです。

特に1957年の「アジアかぜ」流行のときの死亡症例の検討から、黄色ブドウ球菌による細菌性肺炎の合併が注目を浴びました。黄色ブドウ球菌の産生する蛋白分解酵素は、インフルエンザの感染力を高めますし、ウイルス感染に伴い気道粘膜が障害を受けると、今度はここに黄色ブドウ球菌が定着して増殖し、さらに奥に入って気管支炎や肺炎を発症するのです。

黄色ブドウ球菌による肺炎は、他の細菌による肺炎よりも重症化します。強力な抗生物質がなく、また栄養状態の悪かった時代では、細菌の二次感染による細菌性肺炎を併発して死亡したのです。現代においても、肺に重篤な基礎疾患をもった高齢者は、肺炎を併発して死亡する率が増加します。

 また心臓に重篤な基礎疾患をもった高齢者は、インフルエンザ感染をきっかけに心不全を増悪させます。ちなみにドクターミネは、インフルエンザ大流行時には、心不全の重症化と死亡率が増加することをアメリカ老年病学会誌に報告しています(Minezaki KK etc, JAGS 2001; 689)。

 学童前の幼児においては、インフルエンザ脳炎という、稀ですが怖い合併症があります。北海道でのインフルエンザ脳炎9例の報告をみると、すべてが6歳以下(平均3歳)で、9例中5例が死亡、2例が後遺症を残し、2例だけが後遺症もなく退院したとのことです。

インフルエンザ様症状が出現して、2日以内にけいれん、意識障害といった神経症状が現れ、あっという間に進行して、死に至ることもあります。しかも幼児というのは、38度以上の発熱があると、インフルエンザとは無関係に、熱性けいれんをおこす子供がいます。

よって脳炎のけいれんか、熱性けいれんかの鑑別が大変難しくなります。けいれんの後で子供が興奮して、「ポケモンがみえる」など変な事を口走る、視点があわないなどの症状がでたら、脳炎を疑う必要があります。しかし専門の先生でも診断は難しく、死亡率も高いのが現状です。

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