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2014年7月22日 (火)

終末期医療と宗教について⑦

 胃瘻の場合は、人工呼吸器以上に悩ましい問題があります。本来、ものを飲み込むという行為は、胎児の時代から無意識のうちにやっている行為なので、簡単に考えがちです。
しかし脳神経学的には、実に多くの神経とそれに関与した筋肉によって行われています。口は、食べ物の道と呼吸の道と共通です。咽で、呼吸の道は気道、食べ物の道は食道に分かれます。一日の多くは呼吸のために、気道が使われています。
しかしものを飲み込む場合は、食べ物や飲み物が気道に入らないように、まずふたをします。同時に呼吸も止めます。その状態で、周囲の筋肉を使って、食べ物を勢いよく食道に送り出します。その後は食道が、自律神経の働きで、食物を胃へと送ります。食べ物がすべて食道にいったことが確認できたら、気道のふたを開けて、呼吸を再開します。
これを三度の食事、おやつを食べているとき、お茶やコーヒーを飲んでいるとき、そして一日約2L出ると言われる唾液も飲み込んでいます。それがもし、脳血管障害などのために、このシステムのいずれかに不具合が生じると、食べたものや飲み物が食道に送れないばかりか、気道に入る事もあります。
食べ物や飲み物が肺に入ると、猛烈な拒否反応がおこります。これが嚥下性(えんげせい)肺炎です。現在死因第3位が肺炎ですが、これは嚥下性肺炎も含まれるからです。
 ですから、脳に障害が起こると、まずは絶食にして様子を見ます。その後、造影剤を飲み込ませてみて、肺に入らないかどうか確認します。もし少しでも肺に入るようであれば、嚥下性肺炎で死ぬことになるので、医者は胃瘻を勧めるのです。元々胃腸に問題はないので、胃瘻ができれば食べ物ばかりではなく、内服薬も今まで通り服用できますし、脱水にならないように水分補給も可能です。
嘔吐による誤嚥(ごえん)、唾液の誤嚥だけは防げませんが、胃瘻を作ると、その後年単位で寿命が維持されることも稀ではありません。つまり、寝たきりの状態で生き続けるのです。

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