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2014年7月26日 (土)

終末期医療におけるスピリチュアルペインについて①

(1)終末期医療の関して
平成二十六年一月中旬に女優淡路恵子(あわじけいこ)氏が食道癌(しょくどうがん)で死亡したとの報道があり、波瀾万丈(はらんばんじょう)の人生が話題になりました。三人に一人は癌になる時代ですので、終末期医療についてお話しします。
 終末期ケアとか緩和ケアという医学用語をご存じでしょうか。末期癌患者の終末期をにおいて、患者のみならず家族も含めて、全人的なケアをする医療のことです。そして、その終末期ケアをおこなう施設をホスピスといいます。
 ホスピスは、1967年にシシリー・ソンダース医師により、セント・クリストファー・ホスピスが建設されたことが先駆けとなり、日本では1973年に、柏木哲夫(かしわぎてつお)医師により大阪の淀川キリスト教病院において、ホスピス・ケアを提供する病床が設けられました。
しかしホスピス・ケアを提供する場合、本人への癌告知が前提となります。日本では平成初頭の頃までは、患者に対する癌告知をしないのが一般的であったためホスピス・ケアは困難でした。その後社会環境の変化により癌告知が一般的になると、ホスピス・ケアに対する関心度が高まりました。
そしてホスピス医療が健康保険で認められるようになり、また在宅ホスピスに関しては介護保険適応が認められると、ホスピス・ケアが全国的に行われるようになりました。
 癌治療の第一目標はキュア(治癒(ちゆ))です。そのために抗がん剤治療、放射線療法、ホルモン療法、そして外科的切除術が行われます。早期癌であれば、内視鏡的切除術も可能です。
しかし、腫瘍の発生部位、組織型、悪性度、進行度、転移の有無などにより完全治癒が望めない場合、症状緩和と延命治療が目標となります。例えば完全切除が不可能な進行した大腸癌の場合、まずは腸閉塞を解除するために人工肛門手術を施行し、後に延命治療としての抗がん剤が投与されます。
しかし抗がん剤が効かなくなると、もはや延命治療すら放棄せざるを得なくなります。ここで登場するのが緩和ケアです。
 緩和ケアは、患者とその家族に、残された時間をより快適に過ごしていただくことを目的にしています。治癒を諦めるという選択をしても、死ぬまでには二、三ヶ月の猶予があります。まずは少しでも元気なうちに、財産整理やお墓の問題などの、社会的問題を解決する必要があります。
この始末がきちんとできていないと、その後の療養生活で、より一層苦しむことになります。また、最期を自宅で迎えるのか、それとも病院で迎えるのかという問題も、ご家族と充分に話し合っておく必要があります。
 そしていよいよ終末期となりますと、身の置き所のないような、だるさやしんどさが増してくるために、徐々にベッドでの生活時間が長くなります。癌による痛みのために痛み止めや麻薬が必要となります。
また、食事量も減少します。しかし食べられないからといってむやみに点滴をすると、かえって浮腫が増強し、痰が増えて苦しさが増すことになります。ですから終末期は、逆に水分補給を減らす必要性が出てきます。
 時間や場所、親しい人達の顔がわからなくなり、一日中うとうとし、昼夜逆転するような状況になります。また目覚めると、すでに亡くなった方々と会話を始めたりすることもあります。これらの症状は、少し良くなったり、逆に悪くなったりしながら、全体として衰弱していきます。体温が下がり、呼吸もいつしか不規則となり、遂には最期の時が訪れます。
 ところが死を前にすると、自分の心の奥底に封印してきたこと、傷つけられたまま癒えない心の痛み、逆に人を傷つけたことなどに意識が向くようになります。また親子、兄弟の葛藤なども表面化して苦しむことになります。これらをスピリチュアルペインといいます。

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