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2014年7月19日 (土)

終末期医療と宗教について④

 通常の医療と、終末期医療との決定的な差は、ゴールの違いです。通常の医療は「治癒」「軽快」がゴールです。そのゴールに向かって治療します。しかし終末期医療の場合、ゴールは「死」です。「治癒」「軽快」はすでに望むことができないからこその終末期医療なのです。ですから、よりよい「死」を迎えていただくために、家族とスタッフが一丸となってお世話することになります。
 一方同じ終末期医療でも、末期癌の終末期と、卒中や認知症で寝たきりとなった終末期では、何が一番異なるかというと、ゴールが予想できるかできないかという点です。末期癌であれば、余命3ヶ月とか、半年とか、ゴールがある程度予想できるのです。しかも末期癌といっても、本当に介護が必要となるのは最後の一、二ヶ月です。ですから自分の家で死にたいという患者の希望を叶えようと家族が決断した場合、訪問看護師や在宅ガン専門医に協力してもらい、1、2ヶ月間全力投球すればいいことになります。
緩和ケア病棟に入院するにしても、入院期間は通常1ヶ月程度です。現在では、申請すれば介護休暇が得られます。その期間中は給与がある程度カットされますが、確か最大で93日、つまり3ヶ月休むことが可能ですから、この制度を充分に活用できます。
 しかし、脳卒中や認知症で寝たきりの終末期患者の場合、この予想がたちません。合併症により3ヶ月で死亡するかもしれないし、10年寝たきりという方もいます。いつまでがんばればいいのか予想ができないまま、がんばり続けることを要求されます。短期決戦になるのか、長期戦になるのか、先が見えぬまま介護し、あっという間に93日の介護休暇期間を使い果たしてしまい、結局は家族が退職せざるを得なくなる。決してきれい事では済まない現実です。

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