2019年2月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28    
フォト
無料ブログはココログ

« 大便と腸内細菌の話 1 | トップページ | 大便と腸内細菌の話 3 »

2015年11月15日 (日)

大便と腸内細菌の話 2

 皆様方は、自分の便をきちんと見ていますか?自分の便をきちんと見る習慣は重要です。便が真っ黒である場合、タール便といいますが、食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)の破裂、胃、十二指腸潰瘍(かいよう)や癌などによる、上部消化管から出血の可能性があります。放置するとショックとなり、命を失うこともあります。


また逆に、便が白い場合も問題になります(白色便)。赤血球の代謝産物であるビリルビンが肝臓で代謝されて胆汁となり、胆道を通って腸管に排出されます。便の色はこの胆汁の色です。それが白色便の場合、胆汁がきちんと排出されていない、つまり胆道系が、結石や癌でつまっていることを意味しています。これまた緊急を要する場合があります。また異常という訳ではありませんが、人工乳の新生児の便は緑色をしています。

 子育てを経験した方であれば、気づかれたかもしれませんが、新生児や乳児の便はあまり臭くないのに、離乳食が始まる頃になると、段々大人の便の臭いに近づき、完全に離乳すると、大人と同じような臭いの便になります。また、牛馬のような草食動物は、仔牛、仔馬時代には母乳の他に、母親の大便を食べることを知っていますか?

 最新医学の領域では、腸内細菌が第二の臓器として注目されています。私達の腸は、胎児の時には無菌状態ですが、出生後に無数の細菌が生着し、共存関係を築きます。例えばほ乳類の場合、食物繊維(しょくもつせんい)を消化する能力はほとんどありませんが、腸内細菌を獲得(かくとく)することで消化吸収が可能になります。だから仔牛、仔馬は、母親の便を食べることで、草を消化吸収できる腸内細菌を自分の腸内に取り込むのです。

 ヒトの消化管には約千種類、約百兆個の細菌が生息しています。特に腸内細菌の重量は、1.5キログラムにも及びます。ヒトは進化の過程で、エネルギー摂取のための消化酵素(しょうかこうそ)を獲得(かくとく)しましたが、それだけでは充分ではありません。持ち合わせの消化酵素だけでは消化できない食物を、腸内細菌の力を借りて消化しています。腸内細菌により小腸内でブドウ糖吸収が増加するばかりではなく、植物繊維(せんい)を発酵(はっこう)させて、酢酸(さくさん)、プロピオン酸、酪酸(らくさん)などの短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)が産生され、これらを吸収することでエネルギーに利用しています。


この短鎖脂肪酸が、腸管の上皮細胞の増殖や粘液分泌機能をうながし、水やミネラルの吸収のためのエネルギーにも利用されます。また免疫細胞の分化、成熟化に関与し、病原菌に対する感染防御に関与していることが明らかになってきました。

« 大便と腸内細菌の話 1 | トップページ | 大便と腸内細菌の話 3 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大便と腸内細菌の話 2:

« 大便と腸内細菌の話 1 | トップページ | 大便と腸内細菌の話 3 »