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2018年3月14日 (水)

終末期医療について(2)

ドクターミネの毒舌健康法話
 通常の医療と終末期医療との決定的な差は、ゴールの違いです。通常の医療は治癒(ちゆ)(完全に治ること)軽快(よくなること)がゴールです。そのゴールに向かって治療しますので、医師と看護師が中心となります。しかし終末期医療の場合、ゴールは「死」です。治癒、軽快が、すでに望めないからこその終末期医療です。ですから、よりよい「死」を迎えていただくために、あらゆる職種の方と、そして家族が一丸となってお世話します。最近では臨床宗教師により、宗教的な領域に対するケアも行われるようになってきました。
 一方同じ終末期医療でも、末期癌(がん)の終末期と、脳卒中や認知症で寝たきりとなった終末期では、一番異なる点はゴールが予想できるか否かです。末期癌の場合、元々の癌の悪性度、進行度、採血データなどから、余命が三ヶ月、半年と、ある程度予想できます。しかも末期癌といっても、本当に介護が必要となるのは最後の一、二ヶ月です。ですから、患者と家族が自宅での最期を希望する場合、介護保険も適応になりますので、訪問看護師や在宅ガン専門医に協力してもらい、その一、二ヶ月間を全力投球すればいいのです。緩和(かんわ)ケア病棟(末期癌患者の入院する病棟)に入院するにしても、入院期間はせいぜい一ヶ月程度です。現在では、申請すれば介護休暇が得られます。その期間中は給与が一部カットされますが、最大で三ヶ月休むことが可能ですので、この制度を充分に活用できます。
 しかし、脳卒中や認知症で寝たきりとなった終末期患者の場合、この予想がたちません。合併症により一ヶ月で死亡するかもしれないし、十年寝たきりという方もいます。いつまでがんばればいいのか予想ができないまま、がんばり続けることを要求されます。先が見えぬまま介護し、あっという間に介護休暇期間を使い果たしてしまい、場合によっては家族の誰か、退職せざるを得なくなります。決してきれい事ではすまない現実です。
 皆様方は「二○三○年問題」をご存じでしょうか?二○三○年になると、三人に一人が六十五歳以上になります。六十五歳以上になれば、入院が必要な病気になる人の割合が増加します。しかも近年、九割の方は病院で死にますので、当然ですが入院ベッドが圧倒的に不足する事態になります。医療財政の面を考えても、所得税を納める年代が今後、全体の三分の一になりますので、その財源をどうするのかという大問題が生じます。選挙前になると、その場限りの、口先だけの「減税」を公約する候補者が見受けられますが、目の前に迫った「二○三○年問題」は、決してさけては通れないことを認識しておく必要があります。
 平成二十五年の読売新聞にアンケート調査によると、終末期において、延命治療(えんめいちりょう)を望まないと回答した人が八割でした。胃瘻(いろう)、人工呼吸器に関しては、七割以上の人が終末期においては望まないと回答しました。人工呼吸器は通常、急性期や急変時に使用されるもので、心臓は動いているが、呼吸が停止した、ないしは弱くなってきた場合に用います。胃瘻は、水や食べ物がうまく飲み込めない患者に挿入(そうにゅう)します。お腹に穴を開けて、胃に直接バルーンチューブをいれて留置し、このチューブから栄養や水、薬などを入れます。かつては鼻から胃まで管を入れて、そこから水や栄養を入れていました。しかしそもそも、のみ込みができない患者に入れるので、挿入自体が困難で、しかもチューブの定期交換のたびに患者に苦痛を与えなければなりませんでした。それに対して胃瘻は、太いチューブを挿入できるし、交換も比較的容易であり、苦痛もありません。しかも不要になれば、ただ抜去するだけ(自然に穴が閉じる)ですので、近年多用されるようになりました。

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